2015/08/20

海外の反応 「なんでみんなそんなに日本の包丁が好きなの?」 海外の調理道具愛好家達が熱く語る


日本の包丁はそのクオリティから海外にも幅広いファンがいます。
海外の調理道具愛好家が集まるサイトでなぜそんなに日本の包丁が好きなのか語り合っていました。




●banjo1071:スイス
ここの掲示板はかなり日本の調理道具や日本式の調理道具の話題が多い気がする。
世界には他にも素晴らしいナイフメーカーがたくさんあるのに気に留められてないと思う。
(日本の包丁が人気なのには)何か特別な理由があるの?
みんな日本の包丁は他の国のに比べてずば抜けてると思ってるのかな。
(宣伝ではそう言っているけど、自分は日本人の観光客がスイスやドイツの調理道具を山ほど買っているのを見てきてるからにわかには信じられない)
それともフランス、スイス、オーストリアやドイツの良い製品が輸出されることは滅多にないで、自分のアメリカ人の友達の様にツヴィリング(ヘンケルス)や”Messermeister”(ドイツでは全く知られていない)ような中国製の物しか手に入れられないから。
こういう製品の刃は全然駄目駄目だから。
誤解しないでほしいんだけど、自分も東洋の刃物は好きだよ。
でも自分の場合は結局最終的にドイツの高炭素鋼の超薄刃ナイフが常備用になるんだよね。
コストもそんなに掛からないし…





●Mucho Bocho:ローリー、ノースカロライナ州、アメリカ
自分もそういう質問をされることがよくあるね。
この掲示板には自分よりも知識を持ったメンバーがいるから、なぜみんな日本や日本式の刃物が優れていると考えているのか答えてくれると思うな。


1)日本の包丁はいろんな方法で材料をカットすることができるようになっている。
出来なくはないけどヨーロッパの押し切り式の包丁ではちょっと難しいね。


2)日本の包丁は特別な鋼材を使っているから。
製品に特化した材料を選んでるんだ。
すごく硬い材料もあって、驚くほど長持ちする物もある


3)ここで語られている包丁はどれも手作りの物ばかりだけど、日本人は自分達の製品に凄く真剣に取り組んでいる。
芸術表現と工芸品の中間くらいと言っていい程だね。
職人の目で時間をかけて見ることだってある位だ。


●Benuser:アムステルフェーン、オランダ
Messermeisterはゾーリンゲンの輸出モデルだよ。





●Marko Tsourkan:ウエストチェスター郡、ニューヨーク州、アメリカ
自分も日本式の包丁を持っている1人だからその理由を挙げてみようかな。
日本の包丁はスポーツや芸術、トレードなんかのように効率に重点を置いてるんだ。
例えば、効率的に切るために専用の形状にしたり、切れ味や硬度を高めるために材料を選択したり、(幾つかのメーカーは)より切れやすくするように刃を薄くしたりしてる。
メーカーによって細かな違いはあるけど、一般的に日本の包丁は西洋の包丁を凌駕してると思うな。
効率性と性能は模倣するだけの価値があると思う。
自分は日本製の包丁数本とアメリカ製の包丁数本を持ってるけど、ドイツ製やフランス製のは持ってないね。
包丁は車に似てるんだ。
シンプルな車はA地点からB地点までの移動にも使えるけど、レースにだって使える。
ヨーロッパのメーカーだって自分達が何を好きかは主張することができるけど、実際作って証明するまでは机上の空論でしかないんだ。
包丁を見れば大体どの位の事が出来るのかは分るね。
この掲示板には包丁をしっかり評価できるプロの調理人もたくさんいる。
だから日本の包丁が人気なのにもちゃんと理由があるんだ。



●banjo1071:スイス
↑返答ありがとう。
でも、日本の鋼材はどれもヨーロッパと同等の物だし、ヨーロッパのナイフメーカーも同等の材料を使って同じように強化させてるんだ。
効率的に切れるように薄い刃の物もあるし。
繰り返すけど、バターナイフみたいなゾーリンゲンの包丁の事を言ってるんじゃなくて手製の鍛造製の包丁の事だから。
そこが謎なんだよね。




●franzb69:フィリピン
満足な包丁を作っているヨーロッパのメーカーってそんなにないから。
そういう包丁も日本製の包丁ほど目を引かないんだよね。


●Marko Tsourkan:ウエストチェスター郡、ニューヨーク州、アメリカ
 kitchen_knives_2※ドイツの包丁との事
 
こういうのは自分にとって効率的な形状とは言えないんだ。
これは分厚い刃である石器を元祖とした形状だからね。
(カッティングスタイルもそこから来ている)
石器で食料を切るのは力で押し込む必要がある。
日本の包丁は押しても引いても切れるようになってるんだ。
2番目の包丁に関してはどういう物かよくわからないな。
どういうものに使うんだろう?



●knyfeknerd:バンカーズタウン、ノースカロライナ州、アメリカ
最近フランス、ドイツ、ロシアの職人製の包丁の写真やリンクを見たよ。
良い包丁だったけど、あまり広まっていないのは言語の壁もあると思ったね。
自分も上で上がっている意見と同じような感じを持っていて、一度日本製の包丁を使ったらすっかり嵌ってしまったんだ。
自分が好きなヨーロッパ製の包丁といえば今ではビンテージ物になってしまったヘンケルズとかサバティエの良く出来た包丁位だね。
自分の仕事では今でもよく使ってるよ。
ヨーロッパの一体型包丁や大きなフィンガーガードが嫌だという人も多いと思う。




●jgraeff
自分が料理人として最初に使ったのはヨーロッパの包丁で、当時は錆さえ気を付けていればこの切れ味はずっと続くと思ってた。
太いニンジンや分厚い食材を切るのに力が要らない包丁があるなんて知らなかったんだ。
それから(貝印の)旬に出会って、全く別物の切れ味に驚いたよ。
それから水砥石とミソノ包丁に出会って日本の包丁を勉強していったんだ。
さて、形状についいてはひとまず忘れよう。
単純に素材が製品を分けるんだ。
どんな材料も良い形状にも悪い形状にもできるし刃の厚さだって変えられる。
でも、でも材料が悪ければ柔らかすぎて長持ちしないからね。



●Salty dog
ヨーロッパのメーカーは北米の市場で手に入りやすくしなきゃいけない。
良い物を作ってるのはわかってるんだ。
チェックするチャンスがないんだよ。
とある人間が良いものだと思っている包丁が自分の思ってるものと全然違う物というのはよくある事だしね。


●Dave Martell:エアヴィル、ペンシルバニア州、アメリカ
色んな企業や独立系のナイフメーカーが出来ると言ったり実際作ったりもしてるけど、150ドルの標準的な日本の牛刀にも届いてないものがほとんどなんだ。
それが現実なんだよ。
最高に切れて値段も折り合いがつくものなら興味を持つ人も多いと思うよ。
もちろん同じくらい手に入れやすいのも大事だ。





●pkjames:シドニー、オーストラリア
重要な要素として日本には今でも大きな包丁市場/包丁文化がある事が挙げられると思う。
競争相手がいる事で素材や技術に完璧さが求められてるんだろうな。


●kpeddie2010:オハウ、ハワイ州、アメリカ
日本人はちゃんとわかってるんだよ。
一生をかけて何かに打ち込み、それを次の世代に引き継ぐという事を。
完璧さを追求して改善していく事が日本の包丁メーカの結果を産んでるんだ。
日本は世代から世代にその職人魂を引き継いでるんだと思う。
日本もずいぶんと西洋化してきてるけど、その伝統は今も存在している事が包丁なんかを見ればわかると思うな。


●tk59:サンディエゴ、カリフォルニア州、アメリカ
自分は日本の様々なメーカーの包丁を数百本試してきた。
その中であまり良くないと感じたのは片手で数えられる程度だったね。
品質の率としてはかなり良いと思う。
他の国の包丁だって何本も試してきた。
切る能力でトップレベルに到達していたのはほんの数本だったね。
自分にバイアスが掛かってないとは言い切れないけど、できるだけそうしてきたつもりだ。
もちろん反対意見がある事も承知してる。
でも、日本の製品は信じるに足る理由があると思うね。






●jaybett:ポートランド、オレゴン州、アメリカ
この掲示板は値段の折り合いの付くハイエンドな包丁を求めてるから、どの国で作られたかは問題じゃないんだ。
言葉の壁だって注文をストップすることは出来ない。
もしその職人がサイトを持ってたらマニアはそこから注文をしたりもするし。
日本とその文化についてなら、戦後日本の刀鍛冶は包丁を使うことを余儀なくされた。
そして彼らは値段もいい他には敵い様もない最高の包丁を作ったんだ。
西洋のカスタムメーカーは中屋平治、加藤、重房と同じようなクオリティと値段の包丁を作るようにかなりのプレッシャーをかけられたものだよ。
西洋の職人は特定の種類の包丁を作るように訓練されているから、今のところ色んな種類の包丁を作る事では成功してないんだ。
(日本で修行をした包丁職人の)モーリー・カーターはその例外になるかな。
Bob Kramerが色んな種類の包丁を作りたくなった時に(勉強に)行ったのはどこか?
日本だ。




●rdpx:ロンドン、イギリス
日本の包丁に彫られてる漢字がクールだからだ。


●Patatas Bravas
自分の感想を言うなら、確かに良い包丁というのは世界中色んなところにあるけど、自分は日本の包丁に秘められた文化的背景に興味があるから他の国の包丁は気に留めてないんだ。
それに日本は天然石砥石の母国で、これも他の国では見られないものだね。
話を戻すと、言葉は大きな役割を占めてると思うけど、これは前には議論されてないことだな。
ここの掲示板のメンバーならアメリカのカスタムメーカーにコンタクトを取りやすいと思うし、長く待つことになったり値段がかなり高くなっても自分専用にカスタムした包丁が手に入るんだからかなりハッピーだと思うんだ。
これはアメリカのメーカーにとってかなりのアドバンテージだと思うよ。
顧客が満足して自分の買い物に誇りを持つことでメーカーの評判も高まるし。
でも、もし日本のメーカーとのコミュニケーションがもっと簡単になって楽に注文できるようになったらどうなるだろう?
素晴らしいことになると思うな。
日本以外のメーカーにとってはピンチになるだろうけど。
これはワインと一緒なんだ。
フランス程のスタイルとクオリティの幅を持ったワインは他の国には無い。
もちろん、素晴らしいワインが世界中にある事に疑いの余地はないんだけどね。






●stevenStefano:アイルランド
何故日本の包丁なのか?
それだけの価値があるからだ。
日本の包丁はドイツやフランスの包丁を凌駕していて価格も更に安い。
それにドイツのナイフには形状が酷いのもあるからね。
270mmの牛刀はヨーロッパの製造ラインじゃ作られてないし。


●JKerr:メルボルン、オーストラリア
なんでヨーロッパのメーカー(Wustof、ヘンケルス、サバティエ、ティエール、リオン)は包丁に1種類か2種類の鋼材しか使わないのか理由を知りたいな。
ヘンケルスはMIYABIシリーズで例外的な事をしてるけど、これが日本にインスパイアされたものだというのは明らかだし。
自分の知ってる限りだとWustofが使ってる鋼材は1種類、ヘンケルスがヨーロッパ用のラインで作ってる製品も同じステンレスを使ってる。
サバティエはステンレス1種類に炭素鋼を1種類。
でもポケットナイフや剃刀にはもっと良い鋼材を使ってるんだ。
19c27、RWL、13c26、90mcv8なんかをね。
これは現在製造用に使っている機械が他の材料に適してないのか、それともただの伝統なんだろうか?




●Benuser:アムステルフェーン、オランダ
↑作ってるのは伝統的な職人じゃないから。
フランス調理道具のプロとか、他の場所だとメンテナンスが簡単な鋼板から作った調理器具で育ってきた人間が作ってるからだな。
フランス調理器具は自国のマーケットに依存してて、硬い鋼材を導入すると自分達の地位が脅かされることになるから。


●Justin0505:ミネアポリス、ミネソタ州、アメリカ
何故日本製の包丁の方が他の国の包丁よりも多く語られているのか。
その理由はむしろシンプルで、日本の包丁の方が他の国の包丁よりも優れているからに他ならない。
ツヴィリング、Wusty等の大量生産な包丁を除いて、ハイクオリティな包丁を日本と同じくらいの量作ってる場所は世界のどこにも無いんだ。
もちろんトップレベルのメーカーは世界中どこにもあるし、500ドル(約6万円)以上も出せば北米やヨーロッパの小さな独立系の職人が作る包丁が買えるし、上手くいけば日本製と同じくらいの包丁を良い値段で買う事だって出来る。
でも、才能を持った評判の良い西洋の職人は年間にほんの僅かな包丁しか作らないんだ。
手作業で作ってるところも多くて、ほとんどの所が何ヶ月待ち、何年待ちの顧客リストを持っている。
値段だって手が出ないようなものばかりだし。
だから、もし100~300ドル(約1万2000~3万6000円)の範囲で良い包丁を買おうと思ったら(ほぼ99%)日本製のものになるんだ。


やはり切れ味、そして刃物としての美しさ。
製造工程や刀のイメージなどが日本の包丁の魅力のようです。

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