2015/07/05

海底で元寇船発見=原形とどめる、神風で沈没か-長崎・鷹島沖


鎌倉時代の元寇(げんこう、蒙古襲来)のうち、1281年の2度目の襲来(弘安の役)­で沈んだ元の軍船とみられる船が、長崎県松浦市沖の海底で見つかった。

調査した琉球大­の池田栄史教授(考古学)が24日、長崎県庁で記者会見し明らかにした。

池田教授によ­ると、ほぼ原形をとどめており、良好な形の元寇船が見つかったのは初めて。

同教授は「­元寇船の全容解明に向けてさらに調査を進めたい」と話している。
 
発見された場所は、長崎県北部の伊万里湾に浮かぶ鷹島(同市)沖水深20~25メート­ルの海底の土中。

船体の背骨部分に当たる「キール」(長さ12メートル、幅50センチ­)や両舷を構成する板が残っており、全長20メートルを超える大型船と推測される。

海­底に埋もれた状態だったことから腐食などを免れ、原形をとどめることができた可能性が­高いという。
 
池田教授によると、キールや両舷を構成する板の打ち方などの構造、使われていたしっく­い状の塗料が当時の中国船の特徴と一致。

また、元寇の様子が描かれた「蒙古襲来絵詞」­に「てつはう」と記述されている武器や、大量の中国産陶磁器が周辺から見つかったこと­などから、元の軍船と判断した。

この時代のもので沈没した年が特定できる船が見つかる­のは珍しいという。
 
鎌倉時代、元は従属を迫るため、2度にわたり日本へ大船団を送ったが、2度とも「神風­」と呼ばれた暴風雨に見舞われ、壊滅的な被害を受けて敗退した。

【琉球大学考古学研究­室提供】

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